身土不二(しんどふじ)は正食の第一歩

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身土不二とは何か

「身土不二」というコトバはあまり一般的ではありませんが、正食を理解し、それを実践していくうえで、絶対に避けてはならない基本の原則です。

身土不二とはもともとは仏教用語であり、「しんどふに」と呼ばれていました。その後、明治時代の食医であった石塚左玄(いしづか さげん)を会長として発足した食養会(しょくようかい)が、大正時代に「しんどふじ」と名づけ、食養運動のスローガンにしたと言われています。

切り離せない「身」と「土」

「身」は私たちの身体、「土」は大地(風土・環境)を表し、この2つは密接につながっており、決して切り離すことはできないという意味です。

すべての動物は環境の産物であり、人間もその例外ではありません。人間がその環境のなかで生きるというのは、正食的に言うと、その環境(土地)でできるものを食べるということです。

風土と季節に適した食べ物を

それならば、環境に合わないものを食べたらどうなるのか。例えば、熱帯の人たちは暑い体を冷やすために果物をよく食べますが、寒い冬の日本で熱帯地方から輸入したバナナやパイナップルなどを、毎日食べたらどうなるのでしょうか。

体の中から冷えてゾクゾクし、厚い冬服を何枚着ても寒さは抜けないでしょう。もっとひどくなると、しもやけやあかぎれどころではなく、冷えからくる腰痛、冷え性に伴う重大な病気も引き起こします。

これとは逆に、熱い国の人たちが体を温める動物の肉などを毎日食べたら、すぐに体に変調をきたしてしまうでしょう。赤道直下の国であるインドの人たちも、その暑い気候から身を守るために、体を涼しくするスパイスを多く使ったカレー料理を食べています。

日本という風土でできた食べ物を

このように、風土や環境が異なる国々では、そこに適した食べ物をとるのが最も自然な生活のあり方です。私たち日本人であれば、日本という国土でできたお米や野菜を食べるのが本来の姿であり、最も正しい食事のあり方といえます。

このように、身土不二とは人間の生命と土地は決して切り離すことができないことを意味しています。換言すれば、私たちは自分が生まれ住んでいる環境を、なによりも大事にしなければならないということです。

参考文献:岡田周三「正食健康法入門」

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