移動平均線はテクニカル分析の代表的な指標

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よく使われる日足・週足・月足の移動平均線

移動平均線はいつの時代でも、最もポピュラーなトレンドフォロー系のテクニカル指標です。昔は毎日の株価を方眼紙に書き込んで、手作業で日足(ひあし)の移動平均線を作ったものです。それが現在ではチャートサービスを利用すれば、マウスをクリックするだけで、あらゆるタイムスパン(時間枠)の移動平均線を何本でもパソコンの画面に表示できます。私はストック・データバンク社の「株の達人」を使って、いろいろな分足(ふんあし)の移動平均線をいじくっていました。

一般に移動平均線は日足(期間は5・25・75日)、週足(13・26週)、月足(9・24ヵ月)のチャートがよく使われています。最もよく見られる日足の移動平均線の期間は、5日・25日・75日となっていますが、これは株式市場が土曜日も開いていた昔の名残で、現在の期間をとるとすれば5日・20日・60日となります。しかし、実際にはその形はそれほど変わりません。つまり、期間を多少変えても、一般に言われるシグナルの出方にも、それほど大きな違いはないようです。

移動平均線のシグナルを見極める難しさ

移動平均線の重要なシグナルとして、ゴールデンクロス(買いシグナル)とデッドクロス(売りシグナル)があります。これらをあとから傍観的にチャートをながめると、簡単に利用できるように見えますが、相場の渦中にいるときはその見極めはかなり難しいです。

さらに、移動平均線を使うときに最も困るのは、株価が横ばい(ボックス圏)になったとき。特に長期の移動平均線は上昇トレンド゙にあるのに、短期の移動平均線が行ったり来たりしている局面では、どう対処したらよいのか本当に悩みます(でも、こうした局面は頻繁に出現する)。

株の解説書などには、株価がそうしたボックス圏を上抜いたら買い、下抜いたら売り-などと書かれていますが、実際にそれを実行するのは至難の業です。直近の高値と安値を結ぶラインの引き方がかなり難しいので、どこがボックス圏なのかがよく分からないからです。

移動平均線が迷宮入りしたら相場から離れる

それならば、株価がこうした局面に入ったときは、どうすればよいのでしょうか。投資家によってその対処法はさまざまでしょうが、私だったらその株によほどの思い入れがない限り、とにかく迷ったら、たとえ損切りとなっても持ち株は売却します。

これも実際にはかなり悩むところですが、それ以外にやりようがないと思います。相場にダマシはつきもので、迷い悩む局面はしょっちゅうですが、そうしたときはやはり相場から離れるのがベストではないでしょうか。

ファンダメンタルズ分析を主眼にしている株式投資家であっても、少なくとも移動平均線だけは見ているでしょう。タイムスパンの違いによってその形が異なるという悩ましい問題はありますが、株価のトレンドを見るうえで、移動平均線がすばらしいテクニカル指標であるのは間違いありません。

長期の移動平均線のトレンドを見る

とりわけ、長期の移動平均線は大きなトレンドの方向を見るにはかなり便利なツールなので、それを信頼して長期投資をするのもひとつのやり方です。ただし、移動平均線が下方を向いているときに株を買い増しするという、いわゆる逆張り投資はあまりやらないほうがよいと思います。

というのも、移動平均線は代表的なトレンドフォロー系の指標であり、それを使って投資するというのは、やはりトレンドに乗るということが前提になっているからです。これを逆に言うと、トレンドのない移動平均線は使わないほうがよいということにもなります。

新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した現在の株価の方向は、最終的にどちらに向かうのか。これについてはネットでもいろいろと言われていますが、そうした予想はあまり信用しないほうがよい。信頼できるのは長期の移動平均線(月足)のトレンドであり、上昇トレンドがはっきりしたときを待って買いを入れるのがベストだと思う。

次回へ続く

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