サラリーマンからフリーランスに至るスキルについて

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多岐にわたるサラリーマンとフリーランスのスキル

筆者はこれまで東京と田舎(会津)で新卒の会社勤め、転職による中途入社のサラリーマン、時間給の英語講師、翻訳のフリーランス、学習塾経営という自営業など、いろいろな形態の仕事を経験してきた。

今それらを思い返してみると、サラリーマンには会社勤めのメリット、フリーランスには自由業のメリット、またその反対のそれぞれのデメリットもある。それらのメリットとデメリットは、その人の価値観や経済的な立ち位置、年齢、家族関係などによって多岐にわたる。以下ではサラリーマンからフリーランスに至るスキルについて、筆者の個人的な経験に基づく見解を述べていきたい。

最初の就職先は今でいうメンバーシップ型雇用の会社

筆者は大学を卒業した年に、新卒一括採用でJ通信社に入社した。同期生は30~40人だったと思う。2泊3日の研修があり、そこでワイワイと談笑・議論することで同期の連中とはほどほどに仲良くなり、入社したあとも「おい、盛々男」などと呼ばれ、互いに呼び捨てで付き合っていた。

今風に言えば典型的なメンバーシップ型雇用の会社で、同期生のほかに、先輩や上司などとも時間をかけて人間関係を作っていったといえる。そんな時代の会社では、特に若いときにはたとえ仕事で失敗しても許されるし、仕事の成果というよりは、会社の人たちといさかいを起こすことなく、協調して仕事をしていくことが重視されていたように思う。

自由な雰囲気だったジャーナリズム業界

その後、田舎(会津)に帰って地元のガス会社に転職したが、あまりの窮屈さに半年しかもたなかった。そのときに痛感したのは、新聞や通信社などのジャーナリズム業界というのは、なんと自由な世界だったのかということ。

なにしろ、部長などの上司もその役職ではなく、だれでも「~さん」と呼んでいた。私が所属していたのは外国経済部だったが、その隣には外信部という部署があり、そこからはこんな会話が聞こえてきた。
部長A「B君のスペイン語は本当に上達しないね」
平社員B「Aさんの英語と同じですよ」
部長A「アハハハハ…」

また、社内外のアルバイト(原稿書き)もまったく自由で、むしろアルバイトに忙しい記者ほど優秀だと見られていた。私はまだ新米記者だったので、社外のアルバイトはできなかったが、社内のアルバイトには積極的に励んで酒代を稼いでいた。

一方、今のジャーナリズム業界はそうではないと思うが、その当時は仕事を覚えるまでにずいぶんと無駄な時間を費やしていたように思う。何しろ入社後の1年間は使い走りばかりで、ほとんどまともなニュース翻訳はやらせてもらえなかった。J通信社の外国経済部には6年いたが、自分の翻訳スキルのレベルはとても他人に誇れるようなものではなかった。

フリーランスのスキルの原点は専門が磨ける会社での仕事

実際、その後フリーランスとして翻訳の仕事をしたが、翻訳会社の担当者にはよく叱咤(しった)されたものだ。それでも当時は金融・証券・株式などの専門的な翻訳者が圧倒的に不足していたので、次々と仕事が舞い込んだのは本当にラッキーだった(翻訳料も高かった)。

こうした自らの仕事の経験を振り返ると、将来的に独立してフリーランスになるとしても、そのベースとなる実務的なスキルはやはりそれなりのレベルのホワイトな会社にサラリーマンとして勤め、その仕事を通して身につけるのが一般的であるようだ。しかし、そうして習得した実務スキルを別の会社で、またはフリーランスとして生かすには、時代と仕事の変化をよく見極めてレベルアップしていかないとすぐに通用しなくなると思う。

もちろん、人にはそれぞれ向き不向きや好みもあるので、将来性のある仕事だといってもだれでもできるわけではない。しかし、今自分がしている仕事とそのスキルがこれからどのように変化していくのかについては、いつも考えていかなければならない。とりわけ、今後のAI(人工知能)の進展に伴って消滅する可能性が高い職業も増えてくると思われるので、好きな仕事という視点だけでなく、将来的に生き残れるのかという観点からも、自らの職業を常に検討していくことが大切だ。

次回へ続く

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