私たちにとって水とはなにか

正食

人間を含む生物は水の塊

私たち日本人は毎日の生活において、食べ物、ふろ、トイレなどでほとんど無意識に多くの水を使っています。しかし、私たち人間にとって水とはなんなのか、どれほど大切なものなのかについては、あまり分かっていないようです(水のありがたさを痛感するのは、断水や給水制限などがあったときぐらい)。それでは、私たち人間にとって、水とはいったいどのようなものなのでしょうか。

生物体を構成する物質で、最も多くを占めるのは水です。質量にして生物体の70~80%が水によって占められています。そのうちのわずか数%でも水が不足すると、のどの渇きや熱中症などが発生し、生命活動に支障をきたします。

また、登山で遭難した人が食料がなくても雨水などでのどを潤し、飢えをしのんで数日間も生き続け、無事に生還したというニュースも伝えられています。人間は食べ物がなくても、水さえあれば10日間ぐらいは生き続けられるといわれています。この一事をとってしても、人間の生命力のすごさとともに、人間にとって水がどれほど大切なものであるのかがよく分かります。

生命を維持するのに水が必要であるのは、私たちの体が水を主な材料としてつくられているからです。人体の水分量は年齢や性別によって異なりますが、新生児で体重の約80%、成人で60%前後、高齢者で50%台です。一方、女性は男性に比べて体内の脂肪分が多いため、体重に占める水分量は同年代の男性よりもやや少なめです。

また、人体で最も水分が多く含まれるのは血液で、その重さの約80%が水です。そのほか、筋肉の約75%、皮膚の約70%は水であり、水分が含まれていないように思える髪の毛でさえも、その約13%は水分であるといわれます。

このように、私たち人間はまさに水の塊(かたまり)であり、「人間を含む生物は太古の海で誕生した」といわれるゆえんです。その根拠は、われわれ生物と海水の組成が似ているというもので、地上の生物もその先祖をたどれば水中生活を送っていたといわれます。

水道水とはなにか

ところで、私たち日本人は毎日の生活で、それこそなにも考えずに水をじゃぶじゃぶと使っていますが、その水とは水道水です。それならば、その水道水とはどのような水なのでしょうか。

私たちが毎日使っている水道水には、塩素(カルキ)が入っています。カルキに含まれる塩素はとても強い殺菌作用があり、水道水に含まれる病原菌やウイルスを殺します。

私たちが安全な水を飲むために(つまり、水を消毒するために)、一定量の塩素を入れることが法律(水道法)で定められています。それでも、日本の水道水は世界レベルでも安全性が極めて高く、蛇口から出る水をそのまま飲んでも健康になんら問題はないとされています。

そうはいっても、プールに入ったときに感じるツンとしたにおい(塩素)のする水と同じものを、毎日飲んでもよいのでしょうか。正食的に言えば、水道水はいわば「死んだ水」であり、口に入れるのはやはり「活きた水」でなければならないというのが正食の原則です。

水道水という死んだ水を活かす方法

一般に、死んだ水を活かすには、次のような方法があります。

  1. 塩素が逃げていくように、やかんのフタを開けて水道水を沸騰(ふっとう)させる
  2. 活性炭や備長炭などの炭を入れておく
  3. 浄水器を設置する

これらの方法には、コストや手間などに一長一短があります。それでも、正食的な食事と生活を心がけるわが家としては、死んだ水を口に入れることはありえないので、もう30年以上も前から(3.)の方法、すなわち浄水器を使っています。

アメリカ製の浄水器で死んだ水を活かす

その当時は今のように安くて優れた日本製の浄水器があまりなかったので、自然食品店で薦められたアメリカ製の「ハーレーⅡ」という浄水器を購入しました。値段的にはそれほど安くはなかったのですが、熱湯でバックウォッシングできるなど、維持コストがかからないので、この浄水器をずっと使い続けています。 何年か前に知人がもってきたDPD試薬をコップの水道水に入れ、かき混ぜたところ、水が濃いピンク色になったのにはビックリしました(浄水器を通した水は無色透明だった)。こんな水を口に入れるなんてとんでもないと、改めて思ったものです。こうしてわが家は今でも、浄水器によっていわば死んだ水を活きた水にして生活しています。

この記事を書いた人
人生盛々男

人生盛々男(じんせいもりもりお)
福島県会津暮らしの翻訳家&株式投資家。
まだまだ現役の硬式テニスプレイヤー兼ランナー。

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