無知な文学青年
私が初めて株を買ったのは、もう40年以上も前の25歳のとき。どんなきっかけでそんなことをしたのでしょうか。
私は上智大学を卒業してJ通信社の外国経済部という部署に勤務。毎日ロイターなどの経済ニュースを日本語に翻訳していました。
大学時代は外国の古典的な小説や思想書などばかりを読んでいた自称文学青年。毎日訳している経済ニュースにどんな価値・意味があるのかさっぱり分かりませんでした。
踏みにじられた心
入社して2年ほどたったある昼飯どき、1年先輩のIさんにおずおずと聞きました(その当時のJ通信社では先輩・上司を問わず、すべて~さんと呼んでいた)。
「Iさん、ダウ平均ってなんですか」
「えーっお前、外経部にいてダウ平均も知らないの」
ショックでしたね。その軽蔑的なまなざし、上からの目線、人をバカにしたような態度…。
私を株の世界に引きずり込んだ二流株
次の日にさっそく株式銘柄本を購入、株の買い方を調べたあと、証券会社に飛び込んで注文しました。
「東証二部のチノンを~000株買ってください」(当時はすべて1000株単位だった)
今思うと東証二部の、しかも長野県にある小さなカメラメーカーの二流株を買うとは。
と、ところがです。なんと数週間で大きく値上がりし、何人かの友達と5~6回は飲みに行けるほどの利益を手にしたのです。単なるビギナーズなんとかでしかないのですが、これが私が株の世界に足を踏み入れた瞬間でした。
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