会社四季報が株式投資家のバイブルだったころ

本 株式投資

会社四季報がバイブル

2000年以前のアナログの時代には、インターネットもチャートのネットサービスもなかったので、できることといえば、今風でいうファンダメンタルズ分析だけ。

具体的には、年4回発売される東洋経済新報社の「会社四季報」の分析です。その意味ではこの時代には、この会社四季報が株式投資家のバイブルでした。

会社別のファイル作り

そのひとつの利用法は、東証一部の会社別のファイルを作るというもの(銀行・ガス・電力は値動きがほとんどなかったので除外)。会社四季報が発売されたら、3冊買い、1冊は保存用としてとっておき、残り2冊をカッターでばらして、会社ごとに用紙に貼り付けていく(企業情報が各ページの表裏に掲載されているので2冊必要なのです)。

私もやりました、1回(正確にはトライ1回)。「言うは易(やす)く行うは難(かた)し」というコトバがありますが、わたし的にはそんなレベルどころではなく、とんでもない作業でした。何日も何日もやったあと、ついにギブアップ、結局は0回という結果に終わりました。

当時の相場書には、「相場を始めるならば、まずは資料を整えよ。会社四季報の貼り付けこそが最大の変身(レベルアップのこと)のプロセスである」などと書かれていました。「おーっ」と感動した私でしたが、やはりそのレベルではなかったようです。

会社四季報ですばやく株買い

会社四季報のもうひとつの利用法は、発売されたらすぐに本屋に駆けつけて購入し、パラパラとページをめくり、ポジティブサプライズの業績予報の会社を見つける。そしてすばやく証券会社に電話して、その銘柄の買い注文を出すというもの。今では考えられないことですが、当時はこんなこともまじめに行われていたのです。そして私もまた、やりました。その結果は「……」。

一方、当時でもチャート誌として「週刊ゴールデンチャート」が出ていましたが(私も定期購入していた)、日足(ひあし)の移動平均線を作るには毎日の手作業しかありませんでした。

日経新聞の株価欄が数万円

日本経済新聞の株価欄は毎日保存していましたが、抜けたときは図書館に行ってそこのところをコピーしてもらいました。ところがです。毎日の株価欄の新聞切り抜きが面倒くさい人のために、日経新聞の株価欄を月別に1年分とじたものが数万円で売られていたのです。

今思うと、ホントに驚くべき、とんでもない時代でありました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました