デジタル時代の到来
株式売買手数料が固定化されていた2000年以前をアナログの時代とすれば、インターネットとネット証券が普及し、売買手数料が完全に自由化された2000年以降はまさにデジタルの時代だといえます。
そして投資専門書の出版社であるP社が、アメリカの最先端の株式投資・売買の手法やスキルを続々と紹介したことも、株式投資界に大きな影響を与えたと思う。こうした変化をひと言でいえば、日本の株式投資界は鎖国から開国を迫られたといえるでしょう。
2000年以前はチャートといえば、ほぼ移動平均線だけ。ファンダメンタルズ分析といえば、東洋経済の会社四季報の分析といっても過言ではありませんでした。
アメリカから入ってきた多様な投資手法
それがどうだろう。アメリカからどっと入ってきた投資手法やスキルとは、ファンダメンタルズ&テクニカル分析、出来高の分析、トレンドフォロー&オシレーター系指標の使い方、メカニカル・トレーディング(機械式売買法)、デイトレ手法、ストップロスの入れ方、マネーマネジメント(資金をどのように配分して投資するのか)、メンタルマネジメント(マーケットに対する自分の心理をうまくコントロールすること)、リスクマネジメント……。
本当に頭が混乱して目まいがします。これらを勉強しようとすれば一生かかりますね。私はストック・データバンク社の「株の達人」を長年使ってきましたが、そこに収容されているテクニカル指標もすごい量。こうした状況を見ると、2000年以前のあのアナログの時代が妙に懐かしく思えてきます。
格安になった株式売買手数料
それでも、インターネットを通してネット証券で取引できるようになったのはよかった。株式売買手数料も本当に安くなったし、それに証券会社からどうでもいいような電話が来なくなったこともよい。
でもはたして、こんなに便利になったからといって、それで投資家が儲かるようになったのかといえば、それはまた別の話。利益を上げている投資家は10人に1人、またはそれ以下というのは今も昔も変わらないようです。
いつの時代も慌ただしい株式投資家
それにしても、株をやる限り投資家はいつの時代も、心安らかに静かに暮らすことができないというのは悲しいことだねー。
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