思い出

すべてのランナーにとって、皇居ランニングはあこがれの走りといっても過言ではない。東京のど真ん中で、信号もない５㎞のコースはここしかない。24時間ランナーの絶えない皇居ランニングコースには、またいろいろなハプニングもある。

東京のへき地にはいろいろな虫がいました。嫌われ者のゴキブリや蚊をはじめ、トンボやバッタ、そして夏から秋の夜にはコオロギや鈴虫など。田舎でも見られなかったいろいろな虫たちとの交遊記です。

自宅に住んでいたり、またいたるところにコンビニがある現在では、アパートのひとり暮らしもそれほど不便ではない。しかし、今から半世紀前の東京にはコンビニもなく、フロ付きのアパートも高嶺（たかね）の花だった。そんな時代の地方出身者のひとり暮らしとは。

１年近くにわたる東京での浪人生活で感じたのは、この国には本当にスゴイ人たちがいるという驚きだった。そういう人たちがたくさんいる東京という都市には、畏敬に近い感動を覚えたものです。そんな東京に突入した田舎者が、多くのカルャーショックを受けるのは当然だよね。

2017年と2019年に放送されたNHKスペシャル「東京ブラックホール」は衝撃的だった。 ２本目の「破壊と創造の1964年」を見ると、先進国の仲間入りをするために、日本は何と大きな犠牲を払ったのか。 ヒトとカネを猛烈に飲み込んで膨張してきた東京は、まさにブラックホールそのものだ。 そんな東京に引きつけられた私の若いころである。