フリーランスとはそんなに魅力的な働き方なのか

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コロナ禍はフリーランスに大きな打撃

新型コロナウイルスがもたらしたコロナショックは、会社員(正規のサラリーパーソン)よりも個人事業主であるフリーランスに収入面で大きな打撃を与えている。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会がまとめた最新調査「フリーランス白書2020」によると、新型コロナウイルスの感染拡大により、収入が減少したと回答したフリーランスは74.4%。これに対し、収入が減ったと回答した会社員は32.1%。

この調査は2020年4月22日~5月9日に実施されたインターネット調査で、有効回答数は1723人。その結果を見ると、やはりフリーランスは会社員に比べて収入面でかなり多くの人が打撃を受けている。つまり、フリーランスは会社員よりも収入の面でかなり不安定な立場にあることが分かる。

多くのフリーランスがその働き方を続けたい

こうした調査結果を見ると、アフターコロナに向けてフリーランスから会社員になりたい(戻りたい)という人が増えていくと思われるが、事実はまったく異なっている。具体的には、「アフターコロナに向けて、フリーランスとしての働き方を継続したいか」という質問に対し、なんと85.8%が「継続したい」と回答している(「継続したくない」という回答者はわずか2.1%)。

会社員よりも収入面でかなり不安定なフリーランスが、なぜそれほど魅力的なのだろうか。その理由として、「働く時間や場所が自由」(70.4%)。「仕事の内容を柔軟に変えられる」(46.5%)、「煩わしい人間関係が少ない」(38.3%)などの回答が注目される。このほか、「自分の技能を充分に発揮できる(64.8%)、「頑張り次第で収入を増やすことができる」(52.1%)という回答も過半数を占めている。

もちろん、Webデザイナー、ライター、翻訳者など在宅で仕事をするフリーランス、美容ファッション系やスポーツインストラクターなど事業所に出張するフリーランスなど、職種によって状況や収入は大きく異なるだろう。

コロナショックを機にテレワークが普及

一方、「フリーランス白書2020」によれば、コロナショック以降にテレワークを活用しているフリーランスは71.5%。これに対し、会社員のテレワーク活用率は77.6%に達し、そのうちコロナショックを機にテレワークを活用し始めた会社員が41.7%を占める。そして、テレワークに満足している会社員はすでに活用している人で75.1%、新たに活用した人で64.6%と、会社員のテレワークの満足率はかなり高い。

電車で通勤してオフィスで働いていた会社員が次第にテレワークに移行し、この傾向にさらに拍車がかかるとすれば、在宅で働くフリーランスとの垣根は次第になくなっていく。換言すれば、企業が社員のテレワークを促進すればするほど、会社員のフリーランス化が進む。

会社員の個人事業主化が進むのか

そして近い将来には多くの企業が社員の副業を認め、その結果優秀な会社員ほど一社だけの仕事をするのではなく、複数の会社と業務委託契約を結んで個人事業主化していくとの見方もある。現時点で本当にそのような方向に現実が進んでいくのかどうかは分からないが、会社員の働き方がこれまでとは大きく変わっていくことだけは間違いないだろう。

次回からは、フリーランスとして年十年にもわたり在宅で翻訳や学習塾の経営にたずさわってきた筆者の体験や仕事に対する思いなどについて述べていきたい。

次回へ続く

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