陰陽の調和は宇宙の法則

harmony-of-yin-yang 正食

すべては陰と陽の調和で成り立つ

この世のあらゆるものは相反するものがからみ合い、バランスをとりながら変化・推移しています。その相反するものとは、「陰」と「陽」の力です。この世のすべてのものは、この陰と陽が調和して成り立っており、陰陽の調和が崩れたものは消えていきます。

このように、「宇宙のすべてのものは陰陽より成る」という原理が「易(えき)」であり、この易の考え方を現代風に集大成したのが桜沢如一(さくらざわ ゆきかず)氏の「無双原理(むそうげんり)」です。それによれば、陰の力は遠心力(拡散していくエネルギー)、陽の力は求心力(収縮していくエネルギー)です。

例えば太陽系を見ると、太陽という強い天体の求心力と、水星・金星・地球などの遠ざかる遠心力がうまくバランスをとりながら、きれいな楕円(だえん)の軌道を描いて回っています。これらの惑星の運行が何億年も狂わずに続いているのは、遠心力と求心力がうまく調和しているからです。

陰と陽は正反対の力や性質

この遠心力=陰の系列にあるものが、軽いもの、広がるもの、冷たいもの、長いもの-などです。それとは反対の求心力=陽の系列にあるものが、重いもの、縮まるもの、熱いもの、短いもの-などです。

こうした反対の力や性質を持つ陰陽を並べてみると、上昇と下降、水と火、左と右、女と男、植物と動物、甘味と苦味、弱いと強い、泣くと喜ぶ、消極的と積極的-などとなります。

しかし、陰と陽はいわば磁石の+と-のようなもので、互いに引き合います。例えば、男と女は陰陽の対極に位置していますが、一見するとまったく正反対の性格をもつ男女が引かれ合うというのは、その典型的な一例です。

陰から陽へ・陽から陰へと常に変化

また、昼と夜も対極にありますが、昼は正午に陽を極めたあと、陰である夜に向かって変化していきます。このように陰と陽は絶対的なもの、固定したものではなく、相手によって陰陽の程度や性質を変え、常に変化し転移していくものです。

換言すれば、正食で陰陽というときは、相対的な比較を意味しているということです。例えば、女性に対して男性は陽ですが、同じ男性でも積極的な男は消極的な男よりも陽です。また、身体の器官を比較すると、中が空の胃や腸は陰、気密性の高い心臓や肝臓は陽となります。

一方、硬いものと軟らかいものを比較すると、硬いものは宇宙から地球の中心に向かうエネルギーによってぎゅっと圧縮された構造になっているため、硬いものは陽、軟らかいものは陰となります。また、重さで比較すると、重いものは下降するので陽、軽いものは陰となります。

人間は陰と陽のエネルギーから生まれた

私たち人間は無限の宇宙が陰と陽に分化し、その2つが織りなすエネルギーから生成した存在であると考えられます。それゆえに、人間は自らのなかに陰と陽の要素を含むと同時に、外の環境から陰と陽の要素を採り入れながら生きています。

人間の生命を健康に維持していくためには、生命をつくる材料としての食べ物がちょうど陰陽の調和したものでなければなりません。食べるものが陰に過ぎても、陽に傾いても不健康になってしまいます。陰と陽の調和のとれた食事が「正食」といわれるものです。

参考文献

次回へ続く

この記事を書いた人
人生盛々男

人生盛々男(じんせいもりもりお)
福島県会津暮らしの翻訳家&株式投資家。
まだまだ現役の硬式テニスプレイヤー兼ランナー。

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