本当に恐ろしい加工食品

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私たちの身体をむしばむインスタント食品

今は世をあげてのインスタント時代、衣食住のすべてがインスタント化されています。スーパーに行けば、肉、魚介類、野菜などのレトルト食品や冷凍食品をはじめ、最近では健康強化食品と銘打った食べ物がズラリと並んでいます。

もっとも、こうした生活のインスタント化は突然現れたものではなく、それは常に機械文明の歩みを引きずってきた人間の欲求です。だから、こうしたインスタント化の傾向は、人類の歴史とともに始まったともいえます。とはいえ、こうした食品のインスタント化には、手放しでは喜べない恐ろしい危険が存在します。

そのひとつは、加工食品がいかにビタミンやミネラルで強化されたとしても、栄養的に見て生鮮材料を調理したものに遠く及ばないということ。そしてさらに恐ろしいのは、加工プロセスで使われた食品添加物、例えば保存料、合成着色料、発色剤、化学調味料、防腐剤、漂白剤などの有害な物質が、知らず知らずのうちに私たちの体内に入り、体をむしばみつつあるということです。

私たちの体は「食べ物の流れ」によって貫かれています。生命ある限り、この食べ物の流れはとどまることがありません。生命の灯りがともり続ける限り、私たちの生命体は新鮮な食べ物を要求し続けます。

しかし、毎日とる食べ物のなかに、わずかながらでも毒物が入り込んでいるとしたらどうでしょうか。今や、その影響がはっきりと表面化してきています。現代医学でも治せない現代病(ガンやアレルギー性疾患など)という名の病気がそれです。

現在私たちが口にしている食べ物は、たいてい化学的処理が施されています。それは食品の腐敗を防ぐため、見た目をよくするため、そしてより強烈な味覚にアピールするために、いろいろと加工されています。

化学物質が食品中に取り残される場合を、食品衛生法では「汚染」と呼んでいます。これに対し、ある目的をもって意識的に化学物質を食品に入れるのが「添加」です。いずれの場合も、食品中に化学物質が含まれることに変わりはなく、加工食品のすべてがこのどちらかの状態にあります。

加工食品に含まれる化学物質の恐ろしさ

加工食品の合成物として、今でも数多くの化学物質が用いられています。その一部は名だたる猛毒であり、残りのほとんども「少しずつ消費されるので、まずは安全であろう」というシロモノです。

しかも、それらは「今のところ、害になるという証拠はない」といった程度のもので、「無害である」という保証はどこにもありません。その影響が知らず知らずに忍び寄るため、それに気づかないだけなのです。

長期に置いてもまったくカビがはえないしょうゆ、輝かしい赤や黄色に染め上げられた紅しょうがやたくあん、色とりどりのつくだ煮、テカテカに光ったみりん干し、スケソウダラと各種添加物を混ぜ合わせて作ったカニのかまぼこ。さらに、油と着色・着香料を薄膜に包み込んだイクラ、「強化パン」と銘打った真っ白なパン、各種の防腐剤や発色剤として亜硝酸塩が使われたハムやソーセージなど、今や私たちの食べ物は添加物まみれの状態です。

体内に入る食品添加物は50年で250㎏

専門家の試算によると、現在出回っている一般的な食品を50年間食べ続けると、およそ250㎏もの食品添加物が体内に入り込むといわれます。人体の生理では処理できない化学物質がこれだけ体内に入り込んでは、健康を維持することはとうてい不可能です。

こうした食品添加物こそ、発ガン物質の元凶であることは間違いありません。いや、ガンだけではありません。現代医学ではその原因も治療法も分からない数多くの現代病に、これら食品添加物が関係していることは疑いもないでしょう。

子どもや胎児も毒する食品添加物

食品に混ぜ込まれた食品添加物の害は、一般の毒物のように急性毒性の症状で現れることはなく、例えば日本人全体にゆっくりと現れる特殊な毒性です。さらに、食品添加物の恐ろしさは、それらをとり入れる大人ばかりでなく、子どもや胎児にも害を及ぼすことです。

私たちは現在、市場にはんらんする有害な食品からいかに身を守るか、いかに家族を守るかを真剣に考えなければなりません。そのためには、確かな目をもって敢然と有害な食品を排除し、健康な食生活を維持することが大切です。良い食品選びに努めましょう。

参考文献

森下敬一『健康と美容の食生活』文理書院、1991年

純正食品促進会編『悪い食品 良い食品』ナショナル出版、1985年

次回へ続く

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