正食からみた私たちの食べ物

おにぎり 正食

動物の基本的な食べ物

自然はそれぞれの動物に、その生き方に適した食べ物を与えたようです。馬や牛などは草ばかり食べているし、ハトやスズメなどの鳥は木の実や穀物、トラやライオンなどの肉食動物は小動物をつかまえて食べます。このように、哺乳(ほにゅう)動物や鳥類はそれぞれに決められたものを食べて生きています。

すべてを物語る歯の構成

それぞれの動物の基本的な食べ物を知るには、歯の構成を見れば明らかです。肉食動物のトラやライオンの歯はすべて犬歯(けんし)です。犬歯は小動物をかみ殺したり、骨をかじったりするには最も便利です。

一方、草食動物の馬や牛には犬歯が1本もありません。草だけを食べているこれらの動物には、ほかの動物を殺すための犬歯はまったく必要がないからです。また、鳥類を見ると、ツルは水中の小魚を食べるのに便利な長いくちばし、スズメやニワトリなどは草や草の実を食べるのに適したくちばしを持っています。

日本人の基本的な食べ物は何か

それならば、私たち人間(特に日本人)にとって、基本的な食べ物は何でしょうか。私たちの歯は全部で32本ありますが、そのうちの20本は臼歯(きゅうし、穀物をかむ歯)、8本が門歯(もんし、野菜をかみちぎる歯)、4本が犬歯となっています。

こうした歯の構成を見ると、私たち人間は穀物5、野菜2、肉・魚1の割合で食べなさいと、自然が言っているのではないでしょうか。

さらに、それぞれの動物の腸の長さも本来の食べ物を暗示しています。肉食のネコの小腸は身長の約3倍しかありませんが、食物繊維を消化しなければならない人間の小腸は身長のおよそ10倍、羊の小腸にいたっては実に身長の24倍もの長さです。

穀物(お米)が日本人の基本食

このように、それぞれの動物にはそれぞれに決められた食べ物があります。歯の構成や小腸の長さなどを見ても、私たち日本人を含む人間の基本的な食べ物は、穀物(主にお米)と野菜であることは明らかです。

参考文献:岡田周三「正食健康法入門」

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