フリーランスの主なメリット
一般にフリーランスのメリットとは、次のようなものである。
- 自分のスキルや能力を思う存分に発揮できる
- 働き方を自分で決められるので、収入をアップすることも可能
- 生涯現役で働ける
- 人間関係のストレスがない
束縛されない自由や時間のロスのなさもメリット
私にとってフリーランスの最も大きなメリットは、会社に縛られない「自由」である。1日の生活時間を自分で自由に決められるので、平日の好きな時間帯に次のようないろいろなことができる。
- 市役所などで必要な書類を入手する
- 図書館に行って調べものをしたり、読みたい本を借りる
- 子どもの保育園や幼稚園への送り迎え、学校の授業参観などにも柔軟に対応できる
- 好きな時間に必要なものを買いに行くなどの用事がこなせる
このほか、電車や車による通勤の煩わしさや時間のロスがまったくないというのも、フリーランスという働き方の大きなメリットである。学習塾を経営していたときは仕事が夜だったので、朝はゆっくり起きて兼業の翻訳の仕事に取りかかることができた。また、予備校での授業の合間には翻訳原稿の下調べをするなど、複数の仕事の時間を自由に調整できるので、一日の生活をいわば合理的に過ごすことができた。
節税できることもメリットのひとつ?
もうひとつの大きなメリットは、確定申告をすることで税金に詳しくなり、いろいろと節税できること。例えば、これとこれは経費または減価償却で落とせるなどと、税金の仕組みも分かってくるので、当然のことながら節税に励むことになる。
そういえば、やはり個人事業主である税理士の知人は、その専門知識と実務スキルをフルに生かして、節税対策の一環としてアパートなどへの不動産投資をしていると言っていた。もっとも、税金はそれなりの所得があって初めて発生するものなので、税金の心配をするよりは、まずはどれだけ多くの所得を上げるのかを最優先に考えるべきだろう。
会社員の人にとっては、毎年2~3月に行う所得税の確定申告は煩わしいと思えるかもしれないが、慣れてしまえばどうってことないですよ。逆に言えば、確定申告ぐらいのことを面倒くさいと思っているようでは、とてもフリーランスはムリですね。
これまで述べてきたように、フリーランスのメリットとデメリット(泣きどころ)は人によってさまざまであり、会社員またはフリーランスのどちらを選ぶのかはその人次第である。
ただ、わたし的には昭和→平成→令和と時代を経るに従って、まったくひとりでこなす翻訳などのフリーの仕事はどんどんきつくなってきたと感じる。私がしてきたフリーの在宅ワークはすべて英語がベースとなっているが、もはや英語などの翻訳だけで食える時代はもう終わったのではないかという気もする(特許翻訳などはまだそれなりの需要があるようだが)。
仕事上の「自由」をどのようにマネジメントするのか
実際にフリーランスという立場に身を置いてみると、本当に仕事上の「自由」はあるのかなと思うこともよくある。例えば、実務翻訳にしてもゆっくりとした締切日はまずほとんどなく、祝日はもちろん、土日でも仕事に追われることはしばしばである。締切日とは一般の仕事でいう納期のことで、これは絶対に守らなければならない。おそらく数回破ったら仕事がなくなるのは確実である。
それでも仕事があればまだ心は高揚しているが、仕事が途切れて暇(ひま)になったら今度は不安がどんどんと募り、どちらがハッピーな状況なのか分からなくなる。実際にフリーランスになってみると、やはり仕事を抱えていたほうが安心する。3ヵ月の仕事があれば一安心(ひとあんしん)、6ヵ月の仕事があれば御の字(おんのじ)、向こう1年先までの仕事の予約が入っていたら万々歳(ばんばんざい)である。
一方、確かにフリーランスにとって会社の時間に縛られない「自由」は貴重なものであるが、この「自由」をどのように考え、そしてマネジメントするのかはやはり難しい問題ではある。最近ではITやWeb関係のフリーランスが増えているようであるが、職種の違いはあっても、組織に所属する会社員とはまったく次元の違う生き方をしなければならないという現実は、今も昔もそれほど変わらないのではないか。その意味では、「フリーランスは自由業、一皮むけば不自由業」なのである。
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