喜怒哀楽の皇居ランニング

running-around-the-imperial-palace 思い出

人気の高い皇居ランニング

私の長いランニング人生のなかで、一番心に残っているのが皇居ランニングですね。皇居ランニングコースは1周が約5㎞で、次のようなメリットがあります。

  1. 信号がない
  2. トイレがある
  3. 景色がよい
  4. 高低差のあるランニングが楽しめる

その一方で、コース近くの道路は一日中交通量が多く、空気はあまりよくないというデメリットもあります。

皇居ランニングは基本的に反時計回りで、決まったスタート地点はありませんが、桜田門広場から走り始める人が多いですね。しかし、私は地下鉄東西線の1b出入口を出た竹橋広場からスタートし、半蔵門→桜田門→竹橋というコースを走っています。次の話は、私がこの皇居ランニングコースを走ったときのエピソードです。

エピソード-1 喜びとあきらめ

ランナーが少ない6月の平日の午後。いつものスタート地点である竹橋から半蔵門に向けてしばらく走っていたところ、なんと前方に短いスカートにスパッツをはいた3人のおねーさんが走っているではありませんか。「おおっ」と急にモチベーションが上がった私はペースを上げて、やっと彼女らのうしろに追いつきました。

「人生っていいこともあるなー」などと思いながら走っていたら、な、なんとです。おねーさんたちのペースがどんどんと上がり、私との間隔は広がる一方で、ついに私の視界から消えてしまいました。「人生っていいことは長く続かないなー」などと思っているうちに、ペースもどんどんと落ちていったのでした。

エピソード-2 死闘

これもまた、暑い平日の午後のこと。竹橋から半蔵門、桜田門を過ぎてノロノロと息を切らして走っていたところ、前方にひとりのおばさんがやはりノロノロと走っていました。私は「これはいける!」とばかりにペースを上げ、スッと彼女を抜きました。明らかに私を意識したこのおばさん、私をまたスッと追い抜きました。

私としても少しは意地もありますから、彼女をまたスッ、そしたら彼女も私をスッ、……。こうして私たちはまさに心臓が破裂する寸前の状態で、竹橋のスタート地点にたどり着いたのでした。「オレっていったい何やってんだろー」。おそらくこのおばさんも思ったでしょうね。「私っていったい何やってんのかしら」。

そしてゼーゼーと息を切らしてベンチで休んでいたら、走ってきた2人のおねーさんが立ち止まってこんな話をしていました。
「私、用があるからこれで帰るよ」
「私、体が少しこなれてきたので、もう1周してくるわ」

エピソード-3 救われた心

やはり初夏の平日の午後。ランニングコースを1周して竹橋広場のベンチで休んでいたら、某テレビ局の3人の取材スタッフが近づいてきました。私を取材するのかなと思って待っていたら、私をスッとスルーして向こうから走ってくる若いおねーさんたちだけに話しかけるではありませんか。

「スミマセーン、~テレビ局ですが、今皇居ランナーの方たちにインタビューしています。ちょっといいですか」

完全に無視された私はそれでも少し冷静さを保ちながら、事の成り行きをジッと見守っていました。次々とやってくるおねーさんたちの返事は、すべてこうでした。
「スミマセーン、今はちょっと……」
「申し訳ありません、今は……」
「あーっ、あとでまた…」

結局、若いおねーさんたちはだれひとりとして立ち止まることなく、3人の取材スタッフから離れていきました。これを見ていた私としては本当に救われた思いで、彼女たち女性ランナーに心から声援を送ったのでした。

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