一物全体(いちぶつぜんたい)で自然と調和しよう

whole-food 正食

全体を食べる大切さ

一物全体とはひとつのものは部分ではなく、全体で調和しているという意味で、正食では自然の命あるものをできるだけ「丸ごと」食べるという「全体食」を言います。

これを別のコトバで表現すれば、生命は全体で調和しているので、食べ物も全体を食べることで自然と調和し、心身のバランスもとれて健康になるということです。

食べ物は自然を丸ごと食べよう

お米で全体といえば、精白しない玄米。玄米を大地にまけば、そこから根や芽が出て葉・茎になり、花が咲いて実がみのるのを見ても、その一粒一粒に稲の全体が含まれています。

このように、玄米には生命に必要なビタミンやミネラルがほとんど含まれており、いわば完全食品と呼べるほどバランスがとれています。その意味では、白米よりは5分(ぶ)づき米、5分づきよりは2分づき米、そして2分づきよりは玄米が全体食となります。

ニンジンや大根などの根菜の葉にも栄養がたくさん含まれており、大根の葉は干し葉にして湯船に入れると、とても体が温まります。リンゴやミカンなどの果物も昔は皮をむかずに食べたもので、ミカンの皮は漢方では「陳皮(ちんぴ)」として知られています。魚も大きな魚は全体を食べるのが難しいので、正食では丸ごと食べられる小魚を勧めています。また、卵は親鳥が温めたらニワトリになる有精卵が全体食といえます。

砂糖も白砂糖ではなく、いろいろなミネラルがたくさん含まれている黒砂糖を使ったほうが健康的です。塩も、塩化ナトリウムといういわば化学物質を主な原料とする普通の食塩よりは、いろいろなミネラルを豊富に含んでいる自然塩が生命に調和しています。

一物全体はできる範囲で柔軟に

しかし、一物全体という考え方はとても尊いものですが、すべての食べ物や食事でこれを実践するのは現実的にはかなり難しいですね。

わが家も正食を知った最初のころは、土鍋(どなべ)や圧力鍋で玄米を炊いて食べ、ニンジンやゴボウなどの根菜も皮をむかずに料理するなど、それなりに努力しました。でも、やり続けるのはかなり大変だったので、一物全体はできる範囲で、しかもかなり柔軟にやっていこうという方向に転換しました。

食事は自然に近いものを

今でも毎日食べるお米は分づき米(6~8分づき)にしているほか、玄米がゆもよく作ります。また、秋から冬にかけては玄米もちも食卓に。しょうゆやみそも添加物の入っていない有機しょうゆ・みそ、塩は自然塩や天然塩、砂糖は黒砂糖を使っています。

こうした食事法を正食といえるのかどうかは分かりませんが、今のわが家のやり方は「正食を実行する」というよりは、「正食的にやっていく」というものですね。

次回へ続く

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